1. 歴史・由緒
大安寺は、奈良市に位置する高野山真言宗の寺院で、南都七大寺の一つとしてその名を馳せています。
創建は飛鳥時代に遡り、聖徳太子が建立した「熊凝精舎(くまごりしょうじゃ)」が起源とされる、我が国最初の官立寺院です。
その後、舒明天皇の時代に「百済大寺」として創建され、天武天皇の時代には「高市大寺」、さらに「大官大寺」と改称されました。
平城京遷都に伴い、現在の地に移転し「大安寺」となりました。
奈良時代には、東大寺や興福寺と並ぶ大寺院として栄え、七重の塔が並び立つ壮大な伽藍を有し、887人もの学僧が修行に励んでいたとされています。
また、インド僧・菩提僊那や唐の道璿、ベトナムの仏哲など、多くの渡来僧が在籍し、国際的な仏教の学問の中心地としても機能していました。
しかし、平安時代以降は度重なる災禍により衰退し、現在の境内は最盛期の約4%の規模に縮小したと言われています。
2. 癌封じ・病気平癒の御利益
大安寺は官立寺院として様々な役割を担う場であり、その役割の一つが、悪病難病封じです。
こうした背景から、大安寺は、がん封じや病気平癒の祈願寺としても広く信仰されており、本堂のご本尊である十一面観音立像は、がん封じの仏さまとして、 多くの人が参拝に訪れています。
毎年1月23日に行われる「光仁会(こうにんえ) 癌封じ笹酒祭り」では、竹筒に入れた日本酒「笹酒」が参拝者に振る舞われ、健康長寿や病気平癒を祈願します。
この祭りは、奈良時代末期の健康長寿で知られる光仁天皇が笹酒を飲んで長寿を全うしたという故事に由来しており、早朝から法要、癌封じ祈祷、笹酒の授与が行なわれます。
また、夏には「竹供養 癌封じ笹酒夏祭り」も開催され、多くの参拝者が訪れます。
大安寺では、がん封じや病気平癒の祈祷、お守りの授与も行っており、全国から多くの人々が訪れています。
なお、癌封じ祈祷は、本堂にて随時実施されます。
3. 所在地・アクセス
○所在地:奈良県奈良市大安寺2-18-1
○アクセス:
🚃 電車でのアクセス:
・奈良駅より大安寺行・シャープ前行・白土町行バス乗車、大安寺バス停下車徒歩10分
車でのアクセス
・国道24号線柏木町交差点よりまたは、県道754号線(旧24号線)大安寺南交差点より
○駐車場:無料駐車場有り
○公式サイト:https://www.daianji.or.jp/
大安寺(奈良県奈良市)|がん封じで知られる南都七大寺の古刹
