1. 歴史・由緒
金剛頂寺(こんごうちょうじ)は、高知県室戸市に位置する真言宗豊山派の寺院で、四国八十八箇所霊場の第26番札所として知られています。
大同2年(807年)、弘法大師空海が唐から帰国後、平城天皇の勅願により創建されたと伝えられており、地元では室戸三山の一寺院として「西寺」の通称で親しまれています。
当初は「金剛定寺」と称されていましたが、嵯峨天皇が「金剛頂寺」の扁額を奉納し、寺号を改めました。
その後、淳和天皇の勅願所となり、住職は第10世まで勅命により任命されるなど、朝廷との深い関わりを持ちました。
戦国時代には長宗我部元親から寺領の寄進を受け、江戸時代には土佐藩主の祈願所として諸堂が整備されました。
境内には、弘法大師が炊いた米が万倍に増えたとされる「一粒万倍の釜」や、天狗を問答で退散させたという「天狗問答」の伝説が残るなど、多くの霊験が伝えられています。
2. 癌封じ・病気平癒の御利益
金剛頂寺の本尊は薬師如来で、古くから病気平癒や健康長寿の祈願所として信仰を集めています。
特に、境内にある「がん封じの椿」と呼ばれる御霊木は、幹に瘤があり、それが癌に見えることから、癌封じのご利益があるとされています。
もともとは大師堂前にあった椿の木ですが、枯れてしまったものを乾燥させてあります。
この椿は瘤がボコボコしており、この瘤が癌のように見えることから、撫でるとガン封じになると言われています。
多くの参拝客に撫でられ続け、椿はツルツルテカテカになっています。
また、大師堂前には弘法大師が炊いた米が万倍に増えたとされる「一粒万倍の釜」もあり、人々を飢えから救ったという伝説があることから、こちらも健康や繁栄を願う人々に信仰されています。
これらの霊験により、金剛頂寺は病気平癒やがん封じを願う多くの人々にとって、心の拠り所となっています。
3. 所在地・アクセス
○所在地:高知県室戸市元乙523
○アクセス:
🚃 電車でのアクセス:
・土佐くろしお鉄道奈半利駅→高知東部交通バス等の室戸岬ホテル前・甲浦行きで30分→バス停:元橋下車徒歩20分
車でのアクセス
・高知道南国ICから国道55号経由70km1時間30分
○駐車場:有り(有料20台)
○公式サイト:なし
金剛頂寺(高知県室戸市)|癌封じで知られる弘法大師創建の霊場
